対岸に鶏の望む環境を用意した。
卵娘庵が目指した鶏ファーストの考え。
車の騒音や、人の気配、そして害獣の脅威。鶏たちがストレスに感じるそれらから隔離された環境で卵娘庵は養鶏をはじめました。
川を渡したゴンドラが行き来するだけの対岸は、まさに鶏たちにとっては楽園のような場所でした。
時は流れ、小さな車が1台やっと通れる人里から離れた山間部に鶏舎は移しましたが、当初の鶏ファーストの考えを全うし、現在も楽園物語は続いているのです。
山の中、聞こえてくるのは鶏の声だけ。
空が近い山間にある鶏舎。澄んだ風が渡る場所で、卵娘庵の鶏たちは過ごしています。
山の奥といった効率の悪い場所ですが、鶏にとっては居心地・住み心地の良い場所であることは間違いありません。
そんな環境の中で生まれた卵はとびっきり美味しく、
そして信頼いただけるクオリティにたどりつけているのだと自負しています。
「平飼い卵」とは
よく訪ねられる質問です。
たくさんの卵を生産する場合、効率性を高める為に大量の雌鶏を狭いケージに詰め込みます。
太陽光を完全に遮断し人工光で一日の日照時間をコントロールして、
ひとつでも多くの卵を産んでもらうのが従来のシステムです。
文字通り『人工生産』と言った感じです。
そんな養鶏に私たちは疑問を感じていました。
「はたして、そんな環境で雌鶏達は美味しくて信頼できる卵を産んでくれるのか?」
当然ながら雌鶏はストレスを抱えた状態で日々を過ごすわけです。
具体性を持たないとしても何らかの違和感や不安感を覚えるのは私たちだけでしょうか?
そんな疑問から私たちが最初におこなったのは、母鶏が自由に動き回れる環境に戻す事でした。
そして母鶏と父鶏を一緒に過ごさせる事。
当たり前の話ですが、同じ環境に自分を守ってくれる雄鶏が居ると、
雌鶏は安心して草をついばんだり、走り回ったり、そして自然なサイクルで有精卵を産んでくれます。
次におこなったのは、マイナスイオン化、乳酸発酵させた餌にする事。
「食」はそのまま「卵」に影響しますから、安全でバランスのとれた餌がとても重要です。
お腹いっぱい餌を食べて、自由に動き回って、時々昼寝をして・・・
そのようなストレスを持たない環境の雌鶏から産まれたた有精卵は、
どなたからも「美味しい!」と言ってもらえるとびっきりの卵となったのです。
そして、コレストロール値が低いというご褒美もいただけました。